| ||||||||
新宿区保健所生活衛生課主催セミナー「災害時私のペットはどこに行く?」〜ペットの防災を考える〜 レポート |
平成26年3月29日、新宿区保健所生活衛生課主催セミナー「災害時私のペットはどこに行く?」〜ペットの防災を考える〜 へ、講師として平井を派遣いたしました。
参加してくださった皆様へ新宿区保健所から「新宿区学校避難所動物救護マニュアル」が配布されました。
大規模災害に際し、人間だけでなく多くの動物も被災することを想定し、避難所でどのように対応するべきか、具体的に記されているものです。
この資料は日本語だけでなく、英語や中国語、韓国語などの言語に翻訳されています。新宿区におけるペット防災への注目度が伺えます。
※マニュアルについてはこちらを御覧ください。(新宿区ウェブサイト)
今回のセミナーでは、まず最初にアナイスが提唱する動物防災の3R(さん あーる)についてお話しました。
それは
Redy(レディ):準備
Refuge(レフュージ):避難
Responsibility(レスポンシビリティ):責任
の3つです。
※3Rについては、こちらのコラムに詳しく掲載しています。
この3つのRを知ってもらった上で、今日の話を聞いていただくと、より理解が深まるのではないかと思い、一番最初に皆様にお伝えしました。
「休日のこの日、会場に集まっている皆さんは【もし いま 地震が起きたら】を想定していますか?」
一つの質問を投げかけました。
来場者は新宿区内にお住まいの方だけではありません。
家庭に残されている動物がいるかもしれないし、トリミングサロンにお願いしているかもしれません。
一つの質問から、皆様はさまざまな可能性を考慮して準備する必要があるとご理解いただけたのではないでしょうか。
そして、動物防災のセミナーに参加してくださる方の多くが「自分がどうなっても、この子(動物)が助かれば!!」と言ってくださいます。
しかし、飼い主さんご自身が無事なければ動物たちを助けることもできないのです。
みなさん自身の準備も重要であることを強く訴えかけました。
今回のセミナーテーマである「私のペットはどこへ行くのか」という言葉から同行避難について考えてみました。
飼い主さんたちは誰もがこのテーマのように考えたことがあると思います。
どこへ行くのかだけでなく、どうしたら手元にもどってくるか、ということも考えてみましょう。
どれだけ準備をしていても、避難所がペット不可になったり仮設住宅がペット不可になってしまう可能性もあります。
このとき、どうしたら一緒に暮らすことができるように働きかけたらよいでしょうか?
工夫次第でペット可にすることができるのです!
ここでは、飼い主さん自身ができる「ペット可」にするための対策をお話しました。
「どこに行くのか」悩むだけではなく「いっしょにいられる」手段を考えていきたいと思っています。
その手段の一つとして、いざというとき近隣で助けあう仲間をつくる共助システムづくりも提案します。
お散歩仲間同士での連携などができていれば、手放すこともシェルター等に収容することもせずにいることができるかもしれませんね。
アナイスは動物愛護だけでなく被災者支援の観点でも活動しています。
動物防災を考えることが、動物を飼育していない方への支援にもつながるよう考えています。
動物に対する責任だけでなく、社会に対する責任にも関心をもっていただければ、避難所や仮設住宅での動物飼育も、より良いものになることでしょう。
平井による講演のあと、新宿区保健所の職員から新宿区における動物防災についてのお話をいただきました。
新宿区の職員さんは、新宿在住の方ばかりではありません。発災時、職員全員が区内に集まることが困難であることが予想されます。
職員の人数を考えても、避難所51箇所をまわり、担当者がすべての動物のお世話することができるわけではないのが現実です。
つまり、飼い主さん自身が、動物たちのお世話をしなくてはいけないのです!
マニュアルも、備蓄品も、同行避難ができる仕組みも新宿区は作ってくださいました。
避難所では飼い主さんご自身の力が何よりも大切です。
配布された新宿区のマニュアルを読み、十分に災害に備えてほしいと思います。
ご参加下さった皆さん、新宿区保健所の皆さん、ありがとうございました。