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いわき「犬猫を捨てない」会セミナー レポート |
2013年12月15日(日)、いわき「犬猫を捨てない」会主催のセミナーに講師を派遣しました。
3年前、東日本大震災の発生時には、幾度となく訪れたいわき市でのセミナーです。
被災された地元の皆様へ何をどのようにお伝えできるのか、いつもご依頼いただくセミナーとはまた異なる緊張を感じながらお話をさせていただきました。
主催者のいわき「犬猫を捨てない」会の代表にお話を伺ったところ、被災地福島ではあるけれど、いわき市内には大きな被害を受けていない飼い主さんも多くいらっしゃることから、
今回のセミナーを企画されたとのことでした。
セミナー当日は、少し早めに会場に到着し、建物の周りや館内を拝見しておりました。
発災直後に伺った「いわき市総合保健福祉センター」は、広いロビーに支援物資が積まれ、ひび割れた窓ガラスは、段ボールやブルーシートで養生してありました。
それがすっかり修復され、天井の高いロビーは気持ちの良い空間になっていました。
当時、建物の傍には、市民のため、また警戒区域内(当時)から避難されてきた方のために放射線量を測定する受付が用意されていました。
今では、空気中の線量を測定する機械が設置されており、だれでも現在の状況を見ることができるようになっていました。
当時私たちは、放射線に関する知識がほとんどない中で、救援活動に従事いただくボランティアさんたちの活動基準を作るのに、右往左往していたことを感慨深く思い出しました。
セミナーには、地元の飼い主さん、またいわき市の職員の方々も参加いただいていました。
避難所に避難しなくてすんだ飼い主さんもたくさんいらっしゃったため、避難所内の様子やトラブルなどの事例に、驚かれている様子も見られました。
この驚きが、自身の備えにつながるのだとすれば、災害に備えるためには、まず被災時の状況を知ることが大事なのだな、と感じます。
そしてこのセミナーでも、まずは人の安全を、そして飼い主自身が備えることの重要性をお伝えいたしました。
いわき「犬猫を捨てない」会さんはいわき市と連携し、いわき市内の動物愛護に関わる活動を、長年にわたり地道に継続されています。
その実績が、震災時においてもお互いの信頼関係においての被災動物の救援活動につながったのだと思います。
仙台市においても岩手県においても、平時の民間団体と自治体との協働が、災害救援活動での協働につながりました。
今後、各地域での動物救援体制作りを考えていくのであれば、災害時の救援活動の協働を視野にいれた、 平時の官民の協力体制を検討していくことが、いざというときのスムーズな活動開始に役立つのではないか、 と考えております。
いわき「犬猫を捨てない」会では、今も復興住宅の入居に関する支援に取り組まれています。
http://www.geocities.jp/inuneko_sutenai/tusin14.html
アナイスは今後も継続して被災地の状況を調査し、皆様にご報告させていただきます。