平成19年9月2日(日)、板橋区立金沢小学校において総合防災重点地区訓練が実施され、それに伴い動物救護訓練が行なわれました。
アナイスでは今年も動物収容訓練などのお手伝いをさせていただきました。
板橋区獣医師会のテントブースでは、防災に関するパネル展示、動物同行避難のパンフレットの配布やマイクロチップのデモンストレーションなどが行なわれました。
また、今年は空いた時間を利用して、被災動物収容時の扱い方や、注意事項などのレクチャーを行い、参加していたボランティアさんたちが興味を持って聞いてくださいました。
マイクロチップの普及デモンストレーションは、社団法人日本動物保護管理協会の担当者が受け持ちました。集まった飼い主さんからの質問は、すでにマイクロチップのことを知っていて、その仕組みや安全性などについての一歩踏み込んだ内容が多く、昨年までの「マイクロチップって何?」の説明からかなり変化しており、年毎に「マイクロチップ」の認知率が高まってきていることを感じました。
収容訓練に参加した犬は全部で犬16頭、猫1頭でした。
事前に申し込みのあった動物は、犬10頭程度ということでしたから、その他自主的に犬6頭、猫1頭が参加したことは、災害時の同行避難についての意識が高まっている表れとも言えます。
今年の参加犬は小型犬が多く、ダックスフンド、ヨークシャテリア、キャバリア、シーズー、フレンチブルドッグ、チワワなど、最近の飼育傾向が大型犬から小型犬に変化していることを感じました。
例年通り、まず始めに飼い主の方が受付をすませます。
受付の後、動物をケージに収容するのですが、これまでにケージに入ったことがない犬、また、飼い主と離れ待つことが苦手な犬は、時間が経過しても落ち着かず、預かってから引き取られるまでの2時間半、飼い主を呼んで吠え続けていた犬もいました。
反対に、日ごろからハウスに入る練習をしている犬たちは、一瞬不安げな様子を見せますが、比較的早く落ち着き、伏せをした状態で飼い主を待っていました。
普段の生活ではケージに入る必要がないから、また、大きなケージを置く場所もないから、しつけの方法を知らないから、面倒だから、といった様々な理由があり、飼い主さんのすべてがクレートトレーニング※を行っているわけではありません。
しかし、犬にとって感じるストレスが少ないのは、クレートに入り慣れている犬だということは想像できると思います。
また、災害時に限らず、動物病院に入院する時、飼い主の急な用事でペットホテルなどに何泊かしなければならない時、いろんな場合にケージに入り慣れておくことが、犬や猫のためになることを考えて、飼い主のためではなく、犬のためにもクレートトレーニングを検討していただければ、と感じました。
※クレートトレーニング:ケージやクレートに入って落ち着いて待てる練習
年ごとに動物同行避難訓練を実施する自治体が増えています。お住まいのマンション単位、また家族単位でも、ぜひ避難訓練を行ってもらえたらと思います。
人用、動物用の避難用品を揃え、家族の安全を確保しながら、動物を同行するにはどうしたらいいのか、実際に試してみるといろんな問題点が見えてきます。
レポート J・I
|