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5年ぶりの帰島「故郷三宅島へ帰ったチビ」  

 平成17年10月6日、雄山の噴火による全島避難から5年目の秋。
東京都港区の竹芝桟橋では、犬の「チビ」(17歳)と飼い主さんご夫婦が、故郷三宅島に向け出航する船の出発を待っていました。

 平成11年6月、三宅島の雄山が噴火し、6年が経過。平成17年3月、一部の危険地域を除き村民の帰島が許されました。長期にわたり避難生活を強いられていた三宅島の皆様が、やっと故郷に帰れたのです。もちろん、いまだに火山性のガスの被害は深刻ですし、被害を受けた島の復興までには時間がかかります。しかし、まずは立ち入ることのできなかった島に戻ることができたこと、そしてペットを自宅に連れて帰れたこと。どれも、元の生活に戻るためのステップとして、飼い主さんの胸には実感迫るものがあったのではないでしょうか


 チビの飼い主、高松さんご夫婦は、噴火当初チビを連れて自主避難し、チビは自費でペット関連施設に預けていたそうです。しかし雄山の噴火はすぐには収まらず、避難生活は長引き、チビを預けるためにかかる費用が避難生活の負担になってきました。
その後はアナイスのメンバーでもある東京都板橋区の佐藤獣医師が、ボランティアでチビを預かっていましたが、その避難生活は5年に及んでしまいました。

 私達が災害に遭った際、こんなに長期間にわたり避難生活を送らなければならないケースもあることを、想像したことがあるでしょうか。たとえ被災地に行政の動物保護センターなどが用意されたとしても、その運営が2年以上続けられることは難しいでしょう。
 また、特別な飼育環境が必要な動物はなおさら、預け先の準備や、近県の親類や友人知人とネットワーク作りをしておく必要があるでしょう。実際に被災して避難生活が長期化したり、災害によって財産を失ったり、最悪の場合は家族さえも失うこともあるとを考えると、「ずっと一緒にいたい」という飼い主の気持ちだけでは災害を乗り越えることはできない、という悲しい現実を感じます。
 経済的なダメージは、ただでさえ様々な形で傷ついた被災者にとって、大きな負担となります。こんなときに飼育動物をどうするのか、平常時にこそ考えておかなければならない、重要な動物のための防災だと思いました。

 柔らかいクリーム色のチビは、17歳という年齢が信じられないほど元気でしたが、見慣れない桟橋の待合室に、少し落ち着かない様子をしていました。
高松さんご夫婦は、アナイスがプレゼントしたま新しいリードをつけたチビを連れ、心から嬉しそうな笑顔を見せてくださいました。


新潟県では先月の10月23日、昨年の中越大震災発生から1年を迎えました。未だに9000名以上のかたが避難生活を送っていらっしゃるそうです。福岡県の玄界島では、現在も復興にむけ多くの方々が頑張っていらっしゃいます。被害を受けられた多くの被災者と動物たちが、一日も早くもとの生活に戻れるよう、心から祈念しています。


(レポート:J.I)


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